監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
車検証の所有者が亡くなったときは、車を引き継ぐ人の名義に変える相続による移転登録をします。家族が乗り続ける場合だけでなく、売る・廃車にする場合も、まず相続の手続きが必要です。このページでは、熊本運輸支局での普通自動車の手続きを中心に、必要な書類と、軽自動車の場合の違いをまとめます。
はじめに確かめること
- 車検証の所有者はだれかローンで買った車は、所有者がディーラーや信販会社になっていることがあります。その場合は、相続の手続きの前に所有権解除が必要です(所有権解除の手続き)。
- 普通自動車か軽自動車か普通自動車(白・緑のナンバー)は熊本運輸支局、軽自動車(黄・黒のナンバー)は軽自動車検査協会で手続きします。必要な書類が大きく違います。
- 車をどうするか相続人が乗り続けるか、売るか、廃車にするかで、手続きの組み合わせが変わります。
- 相続人はだれか・何人か相続人が1人か複数かで、必要な書類が変わります。
車をどうするかで、手続きが変わります
| 車をどうするか | 運輸支局での手続き |
|---|---|
| 相続人が乗り続ける | 相続による移転登録(相続人の名義にする) |
| 相続人以外に売る・譲る | 相続による移転登録と、買う人への移転登録を同時に申請できます |
| 廃車にする | 相続による移転登録と、一時抹消登録を同時に申請できます(解体する場合は永久抹消登録) |
どの場合も、亡くなった方の名義のままでは、売ったり廃車にしたりすることはできません。相続人の名義にする手続きを一緒に行います。
必要な書類(普通自動車)
相続を確かめる書類
- 戸籍謄本(全部事項証明書)所有者が亡くなったことと、相続人全員がわかるもの。相続人が1人のときは、ほかに相続人がいないことを確かめるために、改製原戸籍などが必要になることがあります。
- 法定相続情報一覧図の写し法務局で交付を受けた法定相続情報一覧図(法定相続情報証明書)があれば、戸籍謄本の代わりに使えます。
だれが引き継ぐかを確かめる書類(相続人が複数のとき)
相続人が複数いるときは、だれが車を引き継ぐかがわかる、次のどれか1つが必要です。相続人が1人のときは要りません。
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| 遺産分割協議書 | 相続人全員の実印を押したもの。相続人に未成年の人がいる場合は、特別代理人が必要です |
| 遺産分割協議成立申立書 | 車の価格が100万円以下であることがわかる査定証などを付ける場合だけ使えます。引き継ぐ人の記名・押印だけでよく、ほかの相続人の押印は要りません |
| 遺言書など | 遺言書(公正証書遺言以外は家庭裁判所の検認を受けたもの)、遺言書情報証明書、遺産分割の調停調書、審判書・判決謄本(確定証明書付き) |
引き継ぐ人(新しい所有者)が用意するもの
- 印鑑証明書発行から3か月以内のもの。
- 実印を押した委任状弊所が代理で申請するときに使います。
- 車庫証明車を置く場所(使用の本拠)が変わるときに必要です。亡くなった方と同じ住所で使い続ける場合は要りません(車庫証明のご依頼の流れ)。
- 使用者の住民票所有者と使用者が別の人になるときに必要です。
このほか、車検証(有効期間内のもの)が必要です。管轄の運輸支局が変わってナンバーが変わる場合は、車を運輸支局に持ち込みます。
軽自動車の場合
軽自動車は、軽自動車検査協会で手続きします。普通自動車とくらべて、書類はかなり少なくなります。
- 遺産分割協議書は要りません所有者が亡くなったことと、新しい所有者が相続人であることがわかる戸籍謄本などか、法定相続情報一覧図のどちらかがあれば手続きできます。コピーでもかまいません。
- 住所を証する書面新しい使用者の住民票の写しか印鑑証明書が必要です。
- 申請手数料は無料軽自動車の名義変更には、申請手数料がかかりません。
熊本市・八代市で車を置く場所が変わる場合は、保管場所の届出も必要です(軽自動車の車庫証明(保管場所の届出))。
運輸支局の手数料(普通自動車・2026年4月から)
| 手続き | 手数料(窓口) |
|---|---|
| 相続による移転登録 | 700円 |
| 相続と売却を同時に | 1,400円(移転登録2回分) |
| 相続と一時抹消を同時に | 1,200円(移転登録700円+一時抹消500円) |
このほか、ナンバーが変わる場合のナンバープレート代、戸籍謄本・印鑑証明書の交付手数料などの実費がかかります。
注意すること
- 早めに手続きを所有者が変わったときは、15日以内に移転登録を申請することになっています(道路運送車両法第13条)。相続では、だれが車を引き継ぐかが決まったら、早めに手続きしましょう。
- 自動車税の納税通知書名義が亡くなった方のままだと、毎年の自動車税の納税通知書は亡くなった方あてに届き、相続人が納めることになります。
- 保険の手続きも忘れずに自賠責保険と任意保険は、運輸支局の手続きとは別に、保険会社や代理店で名義の変更などの手続きをします。
- 戸籍の書類は早めにそろえる亡くなった方の出生から死亡までの戸籍が必要になることがあり、本籍地が何度も変わっていると、そろえるのに時間がかかります。法定相続情報一覧図を作っておくと、車以外の相続の手続きにも使えて便利です。
弊所でのお引き受けについて
弊所では、戸籍の取り寄せや遺産分割協議書の作成など、相続の手続きはお受けしていません。相続の書類(戸籍謄本または法定相続情報一覧図、遺産分割協議書など)がすべてそろっている場合に限り、運輸支局での名義変更の手続きをお引き受けしています(報酬33,000円・税込。手数料などの実費は別途)。相続の手続きそのものは、市区町村の窓口や相続を扱う専門家にご相談ください。
出典:道路運送車両法第13条、国土交通省 関東運輸局「単独相続(相続人のうち一人が相続する場合)」「相続と第三者への名義変更を同時に手続きする場合」「相続と一時抹消を同時に手続きする場合」、国土交通省「自動車の登録・検査の法定手数料変更について(令和8年4月1日)」、軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」。2026年10月時点の内容です。


